世界中の株価下落をもたらすデレバレッジ

米国の金融緩和政策(QE2)への市場の反応

4月28日の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の声明文で、米連邦準備制度理事会(FRB)が「QE2を予定通りに6月末で完了する」と発表すると、翌日から米国株は下がり始めた。流動性の供給をやめると、上昇していたリスク性資産の価格は元に戻る。「QEI」を終えた昨年4月から7月にかけても、米国株は13%あまり下落した。

 

QE1の経験から、4月末のFOMC後に年金や投信などを運用するリアルマネーの投資家はリスク資産の圧縮に動くと七もに、空売りに特化するヘッジファンドは下落に賭ける空売りポジションを積極的に積み上げた。ニューヨーク証券取引所の信用売り残は5月中旬には前月比7%増の118億株と過去最高を記録、上場銘柄の全発行済み株式に占める比率も3.1%と、1931年以来の高水準を記録した。

 

空売りの急増は、空売りの買い戻しを利用する他のヘッジファンドを一段と勢い付かせ、6月中旬から買いが買いを呼ぶ空売りの買い戻し相場が始まった。市場に楽観論が広がるなかで、筆者は7月、「買い戻しが終われば買い戻し相場も終わり、今度は再び市場はファンダメンタルズに注目せざるを得ない」と警鐘を鳴らしたが、その通りになった。

 

 

外国為替市場(FX)では、欧州時間は、アジアの株式市場が頭の重たい値動きを演じたことからドル円やクロス円通貨も上値の限定された展開が先行したが、欧州株式市場が堅調に推移すると米国株式先物もこれに倣って上昇する展開になり、これを材料として市場ではリスク回避の巻き戻しの動きが徐々に強まった。ただし、月末要因によるポジション調整的な動きもありスイスフランが買い戻される展開になると、ユーロやポンドの動きは限定されることとなり、結果的に各通貨ともレンジ内での動意に終始することとなった。