デレバレッジによる世界同時株安第2幕

世界同時株安の第2幕が始まる

今まさに始まった下落の第2幕は世界的な景気減速懸念が背景だ。昨夏、「民間部門、公的部門がそろって債務を増やし、債務による消費や投資を拡大し、市場や経済が膨張してきた『レバレッジの時代』が終わりを告げ、レバレッジの時代の勘定書きの支払いをしなければならない。これからは、民間部門、公的部門が債務を減らし、債務による消費や投資を縮小し、市場や経済が収縮する『デーレバレッジ(レバレッジ解消)の時代』へと突き進むことになる」と警告した。デーレバレッジが終わるには数年が必要となり、先進国の成長はゼロ、あるいはマイナスが長期化する可能性もある。

 

米ハーバード大学のケネスーロゴフ教授は、「リセッション(景気後退)どころかコントラクション(経済収縮)だ」と警鐘を鳴らしている。「Bear Market(弱気相場)」入りの定義は、直近の高値から20%を超える下落のことだ。景気後退を意味する弱気相場に世界の株式市場が入れば、株価の下落は長期化する可能性が高い。言い換えれば、07年に始まった弱気相場が未だに続き、さらに長期化するということだ。

 

8月からの下落率を分析すると、米国ではニューヨークーダウよりハイテク株中心のナスダック指数の方が大きかった。また、欧州でも格下げリスクが高まったフランスより工業株が多いドイツの方が大きかった。つまり、世界同時株安の第2幕は「デーレバレッジの時代」の始まりを知らせる号砲なのだ。

 

米ユーラシアーグループのイアンーブレマー代表は「米国が覇権を握り、同一の価値判断へ向かうグローバル化の時代は終わり、自由市場資本主義と国家資本主義が対立するグローバルセッション時代が到来した」と警鐘を鳴ら
している。

 

今回の急落で、ダウは115年の歴史で初めて、4日連続で騰落幅が400ごを超えた。『ブラックースワン』の著者、ナシームーニコラスータレブが顧問を務めるユニバーサーインベストメンツと米ピムコが共同運用し、金融情勢が激変するリスクに備えるファンド「ブラックースワンーファンド」が、株式市場が約3年ぶりの急落に見舞われるなかで高収益を達成している。

 

世界経済の不確実性が高まり、内政・外政ともに民意が2極分化するなか、12年は1月に台湾の総統選挙、3月にロシア、5月にフランス、11月に米国、12月に韓国の大統領選挙、秋には中国共産党大会の総書記交代と、主要国の首脳選挙が相次ぐ。「Gゼロ時代」におけるデ・レバレッジの無秩序な破壊に備えるには、実際に起これば金融市場を崩壊させかねないテールリスクに対応できる「ブラックースワンーヘッジ戦略」が必要不可欠となる

外国為替市場(FX)では、欧州時間は、アジアの株式市場が頭の重たい値動きを演じたことからドル円やクロス円通貨も上値の限定された展開が先行したが、欧州株式市場が堅調に推移すると米国株式先物もこれに倣って上昇する展開になり、これを材料として市場ではリスク回避の巻き戻しの動きが徐々に強まった。ただし、月末要因によるポジション調整的な動きもありスイスフランが買い戻される展開になると、ユーロやポンドの動きは限定されることとなり、結果的に各通貨ともレンジ内での動意に終始することとなった。